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いざというときに慌てないための 「労災の基礎知識と手続き」

|労災の範囲や具体例
労働災害(労災)とは、業務中や通勤時に発生した、労働者の負傷、疾病、障害または死亡を指します。
なお、「労働者」とは、職業の種類を問わず賃金を支払っている人材を指し、アルバイトやパート、社員などの雇用形態は関係ありません。<労災の例 >
・台車で納品作業をしようとして、腰と肩を痛めた
・店舗受付カウンターの下にある電源コードに足がひっかかり、転倒した
・食器洗浄中、シンク内の割れた食器が、手指に突き刺さった

また、労働保険は労災に対して必要な保険給付を行い、被災した労働者の社会復帰の促進を行う制度です。
労災の保険給付には、代表的なものとして以下の5種類が挙げられます。

<保険給付の種類>
・療養(補償)給付:医療機関を受診する場合無料で治療が受けられる
・休業(補償)給付:仕事に行けない日は賃金の約8割が支払われる
・傷害(補償)給付:障害が残った場合に、年金か一時金が支払われる
・介護(補償)給付:介護を受けている場合に、その費用が支払われる
・遺族(補償)給付:死亡した場合、遺族に年金か一時金が支払われる

|労災が発生する原因とは
労災は、労働者やその関係者が「みんなもやっている」「経験豊富だから」などと過信したりして、手間や労力、コストを省くことを優先したことにより、発生するケースも多くあります。
労働者の「不安全行動」のほかに、事故が起こりうる状態(不安全状態)になっている機械や設備などの職場環境が原因でも、労災は発生します。
|労働災害が発生したときは
従業員が労災によって負傷した場合は、労働基準監督署長宛に「休業補償給付」などの労災保険給付の請求を行ってください。
なお、労災による4日未満の休業については、労災保険によってではなく、企業側が従業員に対し、休業補償を行わなければならないことになっています。<労災保険の請求方法>
労災保険については以下のような請求方法が代表的なものです。業務災害か通勤災害かということで書面の名称が違ったり、細かい他の決まりもあります。不明点は社会保険労務士等の専門家を活用しましょう。
(1)   療養補償給付
労災保険指定医療機関で療養した場合は、「療養補償給付たる療養の給付請求書」を医療機関に提出してください。
請求書は医療機関を経由して労働基準監督署長に提出されるため、療養費を支払う必要はありません。
療養した医療機関が労災保険指定されていない場合は、いったん医療費を建て替え、労働基準監督署長に「療養補償給付たる療養の給付請求書」を提出することで費用が支払われます。

(2)   休業補償給付
労災によって休業した場合、4日目から休業補償給付が支給されます。
「休業補償給付支給請求書」を労働基準監督署長に提出してください。

(3) その他の保険給付
(1)(2)の他にも、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償年金及び介護補償給付などの保険給付があります。
これらの保険給付も、労働基準監督署長に請求書などを提出する必要があります。

事業主は、労災を防止するため、労働安全衛生法に基づく安全衛生管理責任を果たさなければなりません。
従業員が健やかに労働に従事できるように、安全への配慮を欠かさないようにしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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